授業現場を散歩する。

対話する授業を求めて・・

小学校の先生に向け授業づくりのヒントを紹介します。


「『鳥獣戯画』を読む」国語6年 魅力をどう伝えるか





授業TCは参考例です。実態やアイデアを加えオリジナルの授業を! 


高畑勲はどのように工夫して読み手をひきつけさせようとしているか。

絵の解説文をもし自分が書くとしたら何に気をつけどのように魅力を伝えたら良いのか。それを知るために高畑さんの書いたこの説明的文章を読む。

この文章をお手本にして納得のいく文章を書かせたい。それにはこの『鳥獣戯画を読む』の文章の説得力は何から生まれているかを探る必要がある。客観的に文章を読む授業を考察しよう。

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グループ交流15分

 T: 高畑勲のこの文章、なんだか引きつけられるよね。昨日のふりかえりの中に、この文章がわかりやすくておもしろいと思う書いてる人がいたんだけど、この文章わかりやすいなと思う人はどのくらいいる?

ほとんど全員挙手

T: じゃ・・おもしろいなと思う人は?

ほとんど全員挙手

T: じゃ人を惹きつける文章を高畑さんは書いているんだね。今日のめあては高畑文章の秘密を探ろう・・です。

今日のめあて

高畑文章「『鳥獣戯画』を読む」の秘密を探ろう

読む人にわかりやすくておもしろい解説文はどうしたらかけるか、授業の終わりにわかったらいいね。それではグループになり話し合いましょう。話し合う方法は自由です。

ただし高畑文章の1つの魅力を見つけたら最後までその魅力を追求して線を引いたりしてみんなにわかりやすく班の考えを説明するようにしてください。一つに絞るということです。

いきなりグループ交流に入った。1つだけ見つけたら良いのだ。ただ、これまで4時間授業でしっかり読み取ってきた。それを別の視点で見るので少々戸惑っている様子。

グループ交流の内容

グループ交流で出てきた内容は次の通りであった。(順不同)

初めににワクワク感を出す(1班)

1班は初めは順番にみんなで読み合いをしていたが冒頭のワクワク感を出すことを話していた。

  • 文章の書き出しが「はっけよい、のこった」とくるとまず え?となる。
  • おっと、蛙がウサギの耳をがぶりとかんだ。この反則技に、たまらずウサギは顔をそむけ。ひるんだところを蛙が・・できれているからどうなったのか疑問がわくしそれで?と聞きたくなる。
  • 初めがまるで映画を見てるみたいに書いている。
  • 書き出しを工夫する。つかみを大事にするといい。
文を切る。短い文章でリズム感を出す。(2班)

2班は体言止めが持つリズムについて話していた。

  • 文章じゃなくて短い言葉でポツポツ切っている。例えば「何から何まで本物の生き物のまま。耳の先までがぽちんと黒いのは北国の野ウサギ。蛙はトノサマガエル。」みたいに。
  • リズムがある。
  • 1つの文章が長いとわかりにくくなるからなるべく短くしたらいい。
読み手に話しかける文章(3班)

3班はわかりやすいのはなぜかを話していた。

  • ためしにぱっとページをめくってごらん。・・って話しかけてるように書いてるからついめくリたくなる。
  • どうだい・・見えただろう。と話しかけてくる文章。
  • 気づいたかな・・なんだろう・・けむりかな・・それとも息かな・・気合がこもっていることがわかるね。のところが読み手によりそっている優しさがある
  • では、なぜ、兎たちは笑っているのだろうか・・でほんとはこの人知っているのに尋ねている。読んでいる人と同じ立場になっている。
  • 私たちは鳥獣戯画は馴染みがないので少しずつ解説をしてくれているのが親切。
説明の順番(4班)

4班は文章の構成について話し合っていた。

  • 絵巻物なのに説明するときは2つの絵にして見せておいてその後で絵巻物だと伝えている方法にしてる。
  • まず絵で見せて書き方の素晴らしさを書いて・・その後で動きがあることを説明するために絵巻物として見せて説明しているから説明が2段階になっているからわかりやすい。
  • もう少しくわしくみてみよう・・と言って蛙の口から出る線について説明しているところ。もう一度絵について説明するところが丁寧な感じがする。
  • 終わりの方で、もう一度初めからストーリーを説明してるから親切な感じを受ける。
  • 後半は歴史を説明している
おもしろいオノマトペ(5班)

5班はオノマトペという言葉が思い出せず先生に質問をしていた。

  • がぶりと、ぽちんと、ひょいと、擬音語で可愛い表現がたくさんある。だからおもしろい。
  • 「えい!」「ゲロロッ」って吹き出しを想像してるのがおもしろい。
  • 「おいおいそれはないよ」も吹き出し。想像力がすごい
自分の意見をはっきり書く(6班)

6班は好きな文章はどこかを順番に伝え合っていた。

  • 描いた人は何物にもとらわれない、自由な心をもっていたにちがいない。・・という意見が私はすごく好きです。
  • 自分の感動をストレートにそのまま描いているところがいい。たいしたもんだ・・とか・・なんと素敵で驚くべきことだろう・・とか。
  • 自分の思いをはっきり述べているところが気持ちがいい。
  • 鳥獣戯画が漫画の祖と言われていて、アニメの祖だと自分の意見を言っている。
詳しく調べる(7班)

7班は、なぜ国宝であるだけでなく人類の宝なのか話し合っていた。第2次の最後にこのことを学習したそれを交流の話題に持ってきた。

  • アニメーションへの愛を感じる。
  • 作られた時代のことを調べて説明してるから・・古くからの日本文化にまで広げているからもっと鳥獣戯画のすごさがわかる。
  • 絵をすごく細かいところまで見てるから、今度僕たちが書くときは前もって絵の線とか動きとか色とかの特徴をちゃんと掴まないとダメだと思う。

先生は板書に7つを順番を考えなはらまとめた。

  1. 書き出しはワクワク感を出す
  2. 読み手の立場に立って親切に書く
  3. 自分の意見をはっきり書く
  4. 1つの文は短くテンポよく書く
  5. 説明の順番をよく考える
  6. オノマトペを使って楽しく書く
  7. 詳しく調べたことを書く

T: ではふりかえりをします。次の授業では実際に、絵の解説文を書いていきます。一人一人違う文になります。今日出てきた7つの魅力のうちどれを自分が使うかを決めてふりかえりの代わりにしましょう。

授業の考察

とても難しい授業だったがそれだけに見応えのある交流をした。

先生は初めにグループが何について交流しているかを掴み、机間指導をしながら班の気づきを「1つの魅力」に絞らせていった。

ただ5班はあまり意見が出ず、なかなか見つけられなかった。「何がおもしろい?」と尋ね「オノマトペ」を使っていることを引き出し、それについて調べるよう支援していた。

また1班が1つにまとめられないとSOSを出してきたので出てうちの1つである書き出しの工夫について交流してまとめるよう支援していた。

授業がどうなっていくかどこまで子どもたちが考えるかわからないが、大きく投げかけてしっかり支援をしてまとめることができた。

挑戦した授業であった。次の取り組みが楽しみである。