高学年になると初めて学校全体の仕事をする子どもたち。まず初めに高学年の生活について話題を提示し学校の仕事をする委員会活動を知ろうという目標をかかげる。
「委員会活動」の担当の先生に話を聞き単元の終わりに設定された「委員会活動報告会」に生かす。報告会で全ての委員会活動の情報が皆にわかるように上手にまとめたいところだ。
その前段階として情報を取捨選択してメモを取り大切な言葉をのがさないようなメモの取り方
の工夫を話し合わせる授業がある。
この授業のTCを考察しよう。
導入
T: 前の時間話したようにインタビューと 発表を聞く時と2回メモを取ることに
なるよ。 メモを取ったことありますか?
C: 2学期にとった。
C: ユニバーサルデザインの説明を受けた時・・5月ごろの
C: ユニバーサルデザインがどのように役立つかを女の人が説明してくれた。
C: あの時はあまりよくわからなかった。メモがうまく撮れなかった。
C: 下水処理場のおじさんの話のメモ・・社会見学の時とった。
T: そうでしたね。その時はうまくメモをとれましたか?メモを取るのは得意ですか?
とくいじゃない・・・という声
むずかしい・・ などの声
T: では今度の委員会活動の話を聞くときメモを取るの大丈夫?うまくできるかな
自信がない・・ という声
難しい・・
緊張しそう・・など
T: 不安そうだね。一つずつ解決していきながら準備しようか。
どんなところが難しいと思いますか?
C: 話してることが速すぎて全部かけないこと。
C: 聞くことと書くことと両方できない。
T: なるほど。話していることを全部メモしないといけないのかな?
C: 委員会活動で知りたいことだけを書けばいいと思います。僕たちが・・メモだから。
C: 自分が知りたいことだけではなくてみんなが知って得することだけを書けばいい。
C: 前もって聞きたいことを決めておけばいい。
C: きたない字で書いたり間違ったら消してたら間に合わない
ここで模擬インタビューを行う。
模擬インタビュー
T: では今から先生にインタビューしてごらん? 先生は放送委員会だよ。
C: 委員会は楽しいですか?
T: 厳しいです
笑い声
C: マイクで話すのはドキドキしますか?
T: 先生はアナウンスしませんよ。だからわかりません
笑い声 意地悪ーの声
C: 楽ですか?
T: 週1回だからま、普通かな
C: 6年生はこわいですか
T: とろけるように優しいよー
笑い声
T: はい終わり。どうですか?委員会のことわかりましたか?
C: 何にもわかりません
笑い声
T: 何を尋ねてどのように聞いたらいい情報が得られるの?前もって聞きたいことを
きめておくことにしましょう。
項目は大事だよ。・・・あと忙しいよね。
メモは間違えたら消しゴムで消さなきゃだめですか?どう?
そういうところをポイントに・・ちょっとグループで話し合ってください。
グループ活動
グループでは次のような雑談のような話が出ていた。
グループ活動15分
C: きたなくてもいいならそのまま線で消して書けばいい。
C: 漢字は書かなくてもひらがなでもいいのか?
C: 前にメモを取った時・・・後でまとめる時に見たらなんて書いてあるかわからない。
字がきたなったから。ある程度きれいに書かないとだめ
C: 文章全部書かないで・・たとえば週に1回だったら週1とか省略したらいい。
C: 短く書いてもいい。メモだから。
C: 放送委員会は朝8時15分に放送って決まってる。お姉ちゃんが言ってた。
C: 8時10分集合だよ。
C: 全員?
C: 何曜日か決まっててその日だけは8時10分に集合で15分に放送。
C: そういうことをきかないと・・・
C: 知ってることは書かなくていい。
C: 前もって知ってることは書いておいて違ってたら線を引いてパッとなおす。
交流
T: 話し合ったことを発表しましょう
1班 間違ったら消しゴムは使わず線で消す。
言葉だけ短く書く。
2班 きれいに書くことはやめて読める程度にきれいならいい。
3班 聞いたことそのままではなく短い言葉にまとめて書く
4班 1班と同じでこれはメモだからきれいに書くより早く書くことを優先する。
漢字は無理して書かない
5班 前もって大事なことは枠を作っておいてそこに書き入れる
6班 聞き落とさないように仕事は誰がメモする。 集合時間は誰というようにみんなが分
担する。
7班 自分の知ってることは前もって書いておいてあってるかどうか確認だけするようにす
る。
先生は各班の内容を箇条書きにまとめた。
T: それでは・・・・・5班がいいことを言っていたよ。
「枠を作っておくといい」って。いい考えなのでその枠の内容、大切な聞きたいことを
考えよう。
C: 仕事はいつするか
T: 活動時間だね。
C: 6年とどうやって分けるか
T: 「分担」という言い方ででわかる?
C: 「分担」は難しいから5と6って書いたらどうですか?
T: 難しいことはやめるんだね。では「5と6」・・でいいか
C: 1週間に何回するか。1週間に( )回って書いておく。
C: どんなことが楽しくてなにがつらいか
T: 楽しみ と つらさ でいいね。
C: ききたいことを?て書いて枠を作る。
T: なるほど。
ところで先生が書いているように1・・・2・・・って短く書くことをなんていいます
か?
C: 箇条書き
T: メモ取るときは箇条書きも有効だね。
C: ノートみたいに順番に書かないで自由帳みたいに線を無視して書いたり授業中の黒板みた
いに吹き出しとか矢印描いてもいいと思います。
T: いい意見だね。
目的は大事なことを落とさないことだね。
後で見やすいように記号などもどんどん使ってわかりやすくしたらいいね。
次の時間はグループでオリジナルの枠を作ってみようと思います。
メモを取りやすい枠の内容についてグループで話し合っておいてください。
【授業の考察】
実際にグループで担当の先生の話を聞きメモを取る。(インタビュー)それをまとめてクラスの全員に報告する。報告会でもメモを取るので2回メモを取る。
このことを初めに説明し今後の活動のめざすところを示した。
子どもたちに終着点を見せたことが話し合いのモチベーションをあげていると感じた。先の見通しを持たせると意欲が増す。
メモを取る技能を高め今後に生かすためにはメモの目的意識をどう持たせるかということが大
事だ。
そのために模擬インタビューを少しだけ行ったことで、臨場感が漂い、その後の話し合いを活
発にさせていた。
先生のいいアイデアで今後の活動の見通しが持てた点が良かった。
少しの工夫で子どもたちは活気付く。
授業は難しい。
先生がんばれ!
明日も元気で。