授業現場を散歩する。

対話する授業を求めて・・

小学校の先生に向け授業づくりのヒントを紹介します。


「泣き虫」道徳6年 いじめについて交流。発表を無理強いしない。


スタディサプリENGLISH(新日常英会話コース)


授業TCは参考例です。実態やアイデアを加えオリジナルの授業を! 


学習指導要領

 「泣き虫」

登場人物

いじめをする子 トオル

いじめられる子 藤井君

傍観者たち   とりまきグループ 

クラスのみんな わたし

いじめを憎む子 勇気君アダ名は「泣き虫」

キャラクターがはっきりしていてわかりやすい。藤井君はいじめを受ける。近くを通る時鼻と口おさえてさっと通り過ぎる・・といういじめだ。そこに勇気君が立ち向かう。するべき行動と本音に迫る授業のTCを考察しよう。

 授業の流れ

 

T:   クラスにいじめが起こったら 止めるのは難しいですか。

・・・・・

T:  難しいと思う人

(9名挙手)

T:  止めるのは難しくないと思う人

(20名以上挙手)

T:  そうですか。難しいと思う人もいるね。今日はいじめについてのお話です。

 

大まかにあらすじをおさえ人間関係を説明した後、本文を読む。

 

 

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 T:   このクラスで何が起こっている?

 C:    ひどいいじめ

 C:     いじめグループができて一人をいじめている。

 C:    他の子もみんないじめることになってしまった。

 C:    ゆうきくんが食い止めた。

T:  勇気くん「みんな、みんなひきょうものだ」と言いましたね。泣いていましたね。その時「わたし」はどんな気持ちだったでしょう。

 

「わたし」と自分を重ね合わせて想像するだけでつらい。発言は皆重々しくて語気が弱い。根気強く待ってみる。

 

 C:    ハッとして自分が恥ずかしくなった。

 C:    味方がいないのに一人で訴えてすごい。

 C:    藤井くんごめんなさい。

 C:    私はひきょうものなんだ。

 C:    ほんとは「私」もいじめはしたくなくて気になっていたから少しホッとした。

 C:    勇気がなくてやめてと言えなかったから藤井君に謝りたい。

 C:    なんてことをしてしまったんだろうと 後悔した。

 C:    なんとなくやってしまっていたから悪いことだったと気がついた。

 

T:   みんなも同じことがあったらそんな風に思うだろうね。

 次にグループで話しあってもらいます。その内容は

 

「勇気君はなぜいじめを止めることができたか」

 

・・・・・・・です。他の人にはなくて勇気君にあるものです。先生はみんなもそうだと思いますが勇気君と同じものを持ちたいと思います。君たちにも持つことができるのかどうかを知りたいです。もちろん今でもこんな勇気を持っている人はこの中にいるかもしれないですね。話し合ってください。

 

「勇気君はなぜいじめを止めることができか」とても難しい問いだ。グループ交流で考えが出るのだろうか。

 

4人グループ8班のグループ交流。

 

グループ交流の時このクラスが行なっている手順は・・・

  

① 一人が口火をきる。

② 疑問がある場合質問する。

③ 二人目が話す。考えが浮かばない場合何で迷ってるかを話す。

  これを繰り返す。

④ 一人が話した後はみんな一言ずつ話す。質問しても良い。

⑤ 最後はグループで出た話を全てA3用紙にまとめる。

 

 ・・・である。

  交流で出てきた本音の発言

 C・勇気は正義感が強いな。僕はできない絶対。

 C・周りに左右されないところがすごい。わたしは左右されてしまう。

 C・一人でも平気だからすごい。みんないじめてるから仕返しのこと考えてしまう。

 C・勇気君は自分がどう思われようと関係ないのかな。

 C・この場合同じようにいじめる「わたし」とか他の子は相当罪深いよね。

 C・周りの子がすごく腹が立つ。

 C・うちのクラスならだれかが注意するよね。

 C・このクラスはちょっとひどいね。

 C・泣き虫って言われてる時点でちょっとなと思う。

 C・いじめている方はちょっとダメだと思いながらやってる。

 C・例えばうちの組も〇〇とか言ってるじゃない。前からあれはダメだと思ってた。

 C・いじめている方は傷ついてるとかがわからないでやってる。

 C・正義が通らないことが多いのに勇気君は正義を通そうと頑張るなあ。

 C・こういう子がクラスにいたらいじめは起こらないのかな。

 C・トオルも根っからの悪い子じゃないね。

 C・でもすごく怖い子だったらどうなるか自信ないな。

 

T:   突っ込んだ話ができたみたいですね。ではふりかえりを書きましょう。

 

 【授業の成果】

高学年児童はわかっている。いじめはダメだ。差別はダメだ。偏見は間違っている。日々流れてくるニュースを無言で見つめながら大人たちが作っているウソやごまかしいじめや差別に触れている。

 そして自分の周りは怖い。自分の言動によって自分もいじめられる場合もある。いじめは怖い。この矛盾と日々戦っている。 

強い子が上下関係を気にする場合当然弱い子を見つけて優位に立とうとする。

 

それを見て無難に目をつけられずに過ごして乗り切りたい。あるいはその子に気に入られたい。

 

よりよく生きるためには自分の行動をどう選択するか。

 

グループ交流では手順が前もって示されていたことで本音が出ていた。また先生は各班に対し発表を無理強いしない。このことを子ども達は知っている。だから本音を話せる。本音を引き出していることが成果のポイントだ。

 

また、まとめのA3用紙には ほとんどどの班が 「勇気君は正しいことをはっきり言っていじめをやめさせたのですごい。そういうことがはっきり言えるようになりたい。」とするべき行動が記された。

 

やはり本音「できないかもしれない」とはかけない。

 

しかし個人のふりかえりには個人個人の新たな決意が書かれていた。 するべき行動と本音が両方共有されたからこそ個人のこれからのいじめに対する考え方がはっきり記される。ここまでたどり着けたのは 先生の周到に準備された交流の場と語りかけるような発問のおかげだ。決して発表を無理強いせずともこのように着地させた。

 

よかった・・みんな同じ思いを持ってるんだな・・

先生にも切なる願いがあるんだな・・・

授業は難しい。

先生がんばれ!

明日も元気で。

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